この特集について:本資料は、令和8年度診療報酬改定の実施(令和8年6月1日)にあたり、医科・歯科・調剤・看護職員処遇改善&ベースアップ評価料・訪問看護療養費の各分野で寄せられた疑問点を、厚生労働省保険局医療課が一問一答形式で順次整理・発出している「疑義解釈資料の送付について」(その1〜その7、事務連絡)の内容をまとめたものです。本ページでは、保険薬局・薬剤師業務に直接関わる調剤報酬点数表関係(別添4)を中心に、看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料関係(別添2)等のQ&Aも併せて取り上げています。今後「その8」以降が発出された場合は随時追加予定ですので、最新の事務連絡も併せてご確認ください。
調剤報酬点数表関係(別添4)
調剤-1・調剤-2調剤 問1地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準の算定回数要件は、改定前の点数区分の算定回数とみなしてよいか
地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準にある「調剤時残薬調整加算及び薬学的有害事象等防止加算の算定回数の合計が20回以上」「服薬管理指導料1のイ及び2のイの算定回数の合計が20回以上」について、令和9年6月1日までに行う届出に限り、改定前の「調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数の合計」「かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計」とみなして判断してよいとされた。改定の前後で点数区分の名称・構成が変わっても、実績の連続性をもって施設基準を満たすかどうかを判断できる経過的な取扱いである。
調剤 問2電子的調剤情報連携体制整備加算の算定にあたり、改めて施設基準の届出は必要か
令和8年5月31日時点で医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている保険薬局が、令和8年度改定に伴う見直しにより同年6月1日から電子的調剤情報連携体制整備加算を算定するにあたっては、改めて施設基準の届出を行う必要はない。既存の届出がそのまま引き継がれる形となる。
調剤報酬点数表関係 続報(その2〜その7)
調剤基本料・地域支援/医薬品供給対応体制加算その2 問1〜2調剤基本料2(医療モール)の処方箋集中率の計算方法
医療モールにある全ての保険医療機関に係る処方箋受付回数を合算して特定の保険医療機関の受付回数とみなす取扱いは、医療モールである建物・敷地の外にある保険薬局が集中率を計算する場合にも適用される。また、不動産開発業者等が複数の保険医療機関・薬局を集合させる目的で開発した敷地・建物について、「医療モール」「医療ビレッジ」等と称している(称させている)場合も、一連の保険医療機関等の群とみなされる施設に該当する。
その3 問1介護施設等に入居する患者の処方箋は集中率の計算から除外されるか
介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム・認知症高齢者グループホームに入居する患者に係る処方箋は、服薬管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料のいずれを算定したかにかかわらず、特定の保険医療機関に係る受付回数及び全処方箋の受付回数の双方から除外して処方箋集中率を計算する。
その2 問3〜7地域支援・医薬品供給対応体制加算の各種実績・体制要件の確認方法
医薬品の分譲実績に係る伝票・譲渡書は、別紙様式4-1(医薬品の販売授与証明書)のほか任意の様式でも2年間保存すれば足りる。また分譲先には保険医療機関も含まれる(同一開設者の薬局への分譲は実績に含めない)。セルフメディケーション関連医療機器は体重計・握力計を除き承認又は認証を得た医療機器である必要があるが、1製品で複数機能を満たす場合は3製品未満の設置でも要件を満たす。
その2 問7「地域の多職種と連携する会議」とはどのような会議を指すか
研修認定を取得した保険薬剤師が出席する多職種連携会議としては、令和2年通知で示された地域ケア会議・サービス担当者会議・退院時カンファレンス等に加え、在宅療養中の小児の学校生活に関する多職種会議、小児在宅医療に関する多職種連携会議、障害者福祉支援に関する多職種連携会議なども対象となり得る。これらに限定されず、地域医療に貢献する多職種連携会議であれば広く対象となり得るとされた。
その3 問2〜3「薬事未承認の研究用試薬又は検査サービス」の範囲
該当するのは、薬機法に抵触するおそれのある、疾病の診断や罹患リスク判定を行えると標榜する研究用・検査用試薬や、医師法等に抵触するおそれのある、疾患の罹患可能性の提示・診断等の医学的判断を行う検査サービスを指す。逆に言えば、これらの法令に抵触するおそれのない試薬や検査サービスを薬局で販売・提供することは差し支えない。
その7 問1令和7年度の妥結率等報告書で「単品単価交渉を行っていない」とした薬局は算定不可になるか
令和7年度に妥結率等に係る報告書を提出している保険薬局は、その内容にかかわらず、令和8年度の報告書の提出期限(令和8年11月末日)までの間は要件を満たすものとみなす経過措置が設けられた。すぐに算定不可となるわけではない。
その2 問8〜9/その5 問1新規開設薬局・指定後の状況変化と門前薬局等立地依存減算の適用時期
令和8年6月以降に新規開設し、開設時点で集中率以外の要件を満たす薬局は、開設月の翌月から3か月間の処方箋集中率で判定し、その3か月間の最終月の翌々月1日から適用される(例:6月開設→7〜9月実績で判定→11月1日から適用)。また、令和8年5月31日時点で既に保険指定を受けている薬局は当面の間、減算非該当とされ、移転・法人化・開設者交代により指定年月日が令和8年6月1日以降となった場合でも該当しない。指定後に近隣に他薬局が開設され要件を満たさなくなった場合も、直ちに適用とはならず、当年(前年)5月又は開設翌月から翌年4月末までの実績で適合性を判断し、翌年6月1日から適用される。
その2 問10〜12/その7 問5残薬調整・重複投薬対応における簡素化プロトコルや「薬学的専門的な観点」の扱い
処方箋の指示どおり減数調剤を行い理由を分析して情報提供した場合は、服薬情報等提供料1と調剤時残薬調整加算の併算定が可能。地域で策定された簡素化プロトコルに基づく減数調剤については、7日分以上の調整であれば算定可能(6日分以下でも調整の必要性を明細書に記載すれば可。ただしプロトコル運用そのものを理由にすることは不可)。一方、重複投薬を検知した際の調整を簡素化プロトコルに基づき事後報告のみで行った場合、薬学的有害事象等防止加算は疑義照会への対応を評価するものであるため算定不可。「薬学的専門的な観点」による6日分以下の調整理由としては、添付文書上の服用期間超過が見込まれる場合や次回診察での処方変更が見込まれる場合などが該当する。
その7 問4長期処方患者の減数調剤により投与日数が27日分以下になった場合の調剤管理料
内服薬が28日分以上の長期処方とされていた患者について、処方医への照会や処方箋の指示に基づく減数調剤の結果、実際の投与日数が27日分以下となった場合でも、調剤管理料は1のイ(長期処方)を算定する(受付時点の処方日数で区分を判断する)。
その2 問13〜19かかりつけ薬剤師に関するお薬手帳の記載・保管の取扱い
患者の署名がある同意書を保存していても、原則としてお薬手帳への記入は省略できない。離職や患者の希望でかかりつけ薬剤師を変更する場合は、手帳に上書きした上で変更の旨・日付を薬剤服用歴に明記する。在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定患者・要介護/要支援被保険者についても、お薬手帳を活用している場合は同意取得の旨を記入する。お薬手帳のコピー等は必ずしも紙媒体でなくスキャンデータ・写真等の電子データでの保管も可(セキュリティ対策が前提)。電子版お薬手帳についても、画像データ化・スクリーンショット送信・転記など複数の方法が例示されており、「かかりつけ」の文字記入のためのシステム改修は必須ではない。
その2 問15服薬管理指導料の施設基準における常勤薬剤師の「在籍期間」の通算ルール
「当該保険薬局に継続的に在籍している期間が平均して1年以上」という要件における在籍期間の通算には、週31時間以上勤務した期間のみを計上する。週31時間未満の勤務期間は通算の対象とならない。
その2 問20特定薬剤管理指導加算3(ロ):長期収載品の選定療養に関する再説明の取扱い
令和8年6月以降、長期収載品の選定療養に係る特別の料金が「先発品と後発品の薬価差額の2分の1相当」に変更されたことに伴い、過去に説明済みの患者に改めて説明を行った場合でも、自己負担額が変更となる医薬品について最初に処方された1回に限り、特定薬剤管理指導加算3(ロ)を算定できる。
その2 問21〜23かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・訪問加算の算定タイミングと「不在」時の扱い
フォローアップや訪問による業務を行った後、同一薬局で再度処方箋を受け付けた時点でかかりつけ薬剤師が不在であっても、各加算は算定可能(服薬管理指導料1のロ・2のロと併算定する場合は、実施日時・内容に加えてかかりつけ薬剤師の氏名を薬剤服用歴等に記載する必要がある)。患家訪問による服薬指導等を行った場合のかかりつけ薬剤師訪問加算は、訪問後に当該患者から再度処方箋を受け付けた時点で算定する。
その7 問2〜3在宅薬学総合体制加算の対象患者に該当する医科点数表の算定項目
特掲診療料施設基準の別表第8の2・3に該当する患者は、医科点数表で在宅時医学総合管理料1のイ(1)・1のロ(1)・2のイ・3のイ、施設入居時等医学総合管理料1のイ(1)・1のロ(1)・2のイ・3のイを算定している患者、または在宅時医学総合管理料の「注10」(包括的支援加算)及びこれを準用する施設入居時等医学総合管理料「注5」を算定している患者がそれぞれ該当する。
その6 問1電子的調剤情報連携体制整備加算における電子処方箋の機能拡張への対応
施設基準における「電子処方箋を受け付け、調剤する体制」については、現時点では令和5年1月26日から稼働した基本機能(電子処方箋の発行・応需、処方・調剤情報の閲覧、重複投薬・併用禁忌チェック)に対応した体制を有していれば足りる。今後の機能拡張時の取扱いは別途示される見込み。
その5 問2アドレナリン点鼻液(ネフィー点鼻液)を一度に複数瓶調剤できるか
小児のアナフィラキシーに用いるネフィー点鼻液(1mg・2mg)は、添付文書上「効果不十分な場合は初回投与から10分以降を目安に2回目投与が可能」とされていることを踏まえ、原則として2瓶までの調剤が認められる。
その3 問4/その7 問7多言語対応費用の徴収・店内掲示の電子化(デジタルサイネージ等)
在留外国人の調剤対応における多言語対応費用(通訳手配料・翻訳機使用料等)は、療養の給付と直接関係ないサービス等として保険薬局でも費用徴収の対象として差し支えない。また、保険薬局・保険薬剤師療養担当規則に基づく掲示事項についても、デジタルサイネージ等の電子的表示による掲示が可能(利用者が内容を確実に確認できる運用と、求めに応じて紙媒体を提示できる備えが前提)。
その2 問24後発医薬品使用体制加算等の届出に用いるカットオフ値の算出(経過措置)
通常は前月までの実績を用いて届け出るところ、令和8年5月1日に5月適用分の届出を行う場合に限り、カットオフ値の算出には令和8年3月までの実績を用い、4月実績は用いない取扱いとされた。
看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料関係(別添2)
看ベ-1・看ベ-2看ベ 問3調剤ベースアップ評価料の賃金改善の対象から除外される「管理者」に管理薬剤師は含まれるか
調剤ベースアップ評価料の収入を用いた賃金改善の対象職員からは「事業主、使用者、開設者、管理者、40歳以上の薬剤師及び業務委託により勤務する者」が除かれるとされているところ、管理薬剤師はこの「管理者」に該当し、対象とならない。自局の対象職員の範囲を確認する際は、管理薬剤師を含めずに賃金改善計画・実績報告を作成する必要がある点に注意したい。
看ベ 問2派遣職員はベースアップ評価料等の賃金改善の対象に含まれるか
保険薬局を含む医療機関等が一定の要件(派遣元と相談の上で自施設の職員と同程度以上の賃金改善を行うこと、区分計算や賃金改善実績報告書等に派遣職員を含めて作成すること等)を満たす場合に限り、労働者派遣法上の「派遣職員」については対象に含めることが可能。一方で、請負業務を行う業務委託職員は対象外である点に留意する。