かかりつけ薬剤師機能の普及と、患者によるかかりつけ薬剤師の選択促進を目的として評価を見直し。独立した「かかりつけ薬剤師指導料(76点)」は廃止され、服薬管理指導料の中に「かかりつけ薬剤師が行った場合(イ)」として統合されました。あわせて実施した指導内容に応じた新たな加算(フォローアップ加算・訪問加算)が新設されています。
▶ 薬局の対応:統合後の算定区分(イ/ロ)と手帳提示要件、緩和された施設基準、新加算の算定要件・記録を確認する。
参考:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】(厚生労働省保険局医療課)/調剤報酬点数表より
変更点 対比表(令和6年度 → 令和8年度)
| 項目 | 令和6年度(改定前) | 令和8年度(改定後) |
|---|---|---|
| 評価の枠組み・点数 | ||
| 評価の名称 | かかりつけ薬剤師指導料(独立した薬学管理料) 76点/処方箋受付1回につき |
かかりつけ薬剤師指導料は廃止。 服薬管理指導料に「イ かかりつけ薬剤師が行った場合」「ロ イ以外の場合」の区分として統合。 |
| 点数 | かかりつけ薬剤師指導料:76点 | 服薬管理指導料 1(3月以内の再来・手帳提示):イ・ロとも45点 2(1以外):イ・ロとも59点 ※イ(かかりつけ)/ロ(それ以外)で点数は同額 |
| お薬手帳の提示 | 指導料の算定要件として手帳提示の明示なし | 服薬管理指導料1は「手帳を提示した患者」が要件。手帳を提示しない場合は2で算定。 かかりつけの同意取得時は手帳の該当欄に「かかりつけ」と記入し、コピー等を薬局で保管。 |
| かかりつけ薬剤師(保険薬剤師)の要件 | ||
| 勤務経験 | 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験 | 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験。 【新】保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年を上限に算入可。 |
| 週の勤務時間 | 当該保険薬局に週32時間以上勤務 (育児・介護による短縮時は週24時間以上かつ週4日以上) |
当該保険薬局に週31時間以上勤務に緩和 (育児・介護による短縮時は週24時間以上かつ週4日以上) |
| 在籍期間 | 当該保険薬局に1年以上在籍 | 当該保険薬局に継続して6か月以上在籍に緩和 (産前産後・育児・介護休業から復職時は休業前の在籍期間を合算可) |
| 研修認定・地域活動 | 研修認定制度等の研修認定を取得/医療に係る地域活動へ参画 | 研修認定の取得・地域活動への参画は継続(変更なし) |
| 薬局の要件(施設基準) | ||
| 薬局側の要件 | 薬剤師個人の要件が中心 | 【新設】次のいずれかを満たすこと。 ア 常勤保険薬剤師の平均在籍期間が1年以上/イ 管理薬剤師が3年以上継続在籍。 加えてプライバシーに配慮した独立カウンター等を有すること。 |
| 関連する加算・管理料 | ||
| 継続フォロー | かかりつけ薬剤師指導料に包含(個別加算なし) | 【新】かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 50点(3月に1回)/かかりつけ薬剤師訪問加算 230点(6月に1回) |
| 服用薬剤調整支援料2 | イ 110点/ロ 90点 6種類以上の内服薬の重複投薬等の解消提案(3月に1回) |
1,000点に見直し。かかりつけ薬剤師による包括的な薬物療法の適正化支援を要件化(6月に1回、月4回まで)。 ※適用日:令和9年6月1日から |
参考:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】(厚生労働省保険局医療課)/調剤報酬点数表より。かかりつけ薬剤師指導料の令和6年度の要件は同概要の新旧対照によります。
新設された加算の詳細
対象患者:服薬管理指導料1のイ又は2のイ(かかりつけ薬剤師が行った場合)を算定している患者。
算定要件:外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2、又は調剤管理料の調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算を算定した患者に対し、患者又はその家族等の求めに応じて、前回の調剤後、再度処方箋を持参するまでの間に、かかりつけ薬剤師が電話等により服薬状況・残薬状況等を継続的に確認し必要な指導等を実施した場合に算定。
対象患者:直近6か月に外来服薬支援料1・服用薬剤調整支援料1/2・調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定した患者。
算定要件:患者又はその家族等の求めに応じて患家を訪問し、服用薬の服薬管理・残薬状況の確認等を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合に算定。
令和8年5月31日までにかかりつけ薬剤師指導料に係る施設基準の届出を行っている場合は、同年11月30日までの間は、新設された薬局要件(薬剤師の平均在籍期間・管理薬剤師の在籍期間等)を満たすものとみなされます。届出済みの薬局も、経過措置期間中に新要件への適合を確認しておきましょう。
参考:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】(厚生労働省保険局医療課)
薬局が取るべき対応
- 算定区分の切り替え:かかりつけ薬剤師指導料のレセ電コード・算定運用を、服薬管理指導料のイ(かかりつけ薬剤師)/ロへ移行する。
- 手帳提示の徹底:服薬管理指導料1は手帳提示が要件。手帳の該当欄への「かかりつけ」記入とコピー保管の運用を整える。
- 施設基準の再確認:週勤務時間31時間・在籍6か月へ緩和された一方、薬局側の要件(平均在籍1年 or 管理薬剤師3年在籍・独立カウンター等)が新設。経過措置(〜令和8年11月30日)中に適合を確認する。
- 新加算の算定体制:フォローアップ加算(50点)・訪問加算(230点)の対象患者の抽出と、電話・訪問記録/医療機関への情報提供の様式を準備する。
- 服用薬剤調整支援料2:1,000点への見直し(令和9年6月適用)に向け、かかりつけ薬剤師の研修受講と包括的介入の実施体制を整備する。