薬剤師向け / 一部保険外療養(OTC類似薬)

OTC類似薬の保険給付見直し ― 実務対応まとめ

OTC類似薬77成分・約1,100品目に薬剤費の1/4の「特別の料金」を求める新制度(一部保険外療養)が、令和9年3月に実施予定です。薬局が実務で押さえるべき知識と、技術的検討会で議論中の論点を、公的1次情報をもとに整理します。制度は検討段階のため、確定情報にあわせて随時更新します。

🔄 このページは更新前提のまとめです。本制度は現在、厚生労働省の「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」等で詳細が議論されている段階です。以下は2026年7月時点で公表されている公的資料に基づく整理であり、確定した運用(対象者確認の方法、レセプト上の取扱い等)は今後の告示・通知で示されます。最終更新:2026年7月24日。

制度の骨格(確定している事項)

項目内容
制度の位置づけ 健康保険法を改正し、保険外併用療養費制度の中に「一部保険外療養」を創設(健保法第63条第2項第6号・第86条)。長期収載品の選定療養に類似するが、選定療養とは別建ての新類型。薬剤は保険適用のまま、薬剤費の一部を給付対象外とする。
対象医薬品 まずは77成分・約1,100品目。OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品を機械的に選定。処方箋医薬品以外の医療用医薬品が対象。
特別の料金 対象薬剤の薬剤費の1/4を保険給付の対象外とし、患者から「特別の料金」として徴収。残り3/4は通常どおり保険給付(給付率に応じた自己負担)。
実施時期 令和8年度中(令和9年3月)に実施。改正法(健康保険法等の一部を改正する法律)は令和8年5月29日成立。
将来の拡大 令和9年度以降、対象範囲の拡大・特別の料金の割合引き上げを検討。相当部分にまで対象を広げることを目指すとされる。

参考:厚生労働省 保険局「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について」/大臣折衝事項(令和7年12月24日)/政調会長間合意(令和7年12月19日)

負担額の考え方

対象薬剤の薬剤費のうち1/4が保険給付の対象外(特別の料金)となり、残り3/4に通常の給付率が適用されます。3割負担の患者では、薬剤費部分の実質負担は次のとおりです。

実質負担率 = 1/4(特別の料金・全額)+ 3/4 × 3割 = 0.25 + 0.225 = 約47.5%
※ 技術料等は従来どおり。特別の料金部分の消費税の取扱い等、価格計算の詳細は今後の通知で示される見込み(議論中)。

参考:政調会長間合意(令和7年12月19日)資料の負担イメージ図

配慮対象者(特別の料金を求めない方向で検討)

社会保障審議会医療保険部会「議論の整理」(令和7年12月25日)で、以下の者は特別の料金を徴収しない方向で検討するとされています。該当性の確認方法・対象年齢等は技術的検討会で継続議論中です。

▶ 参議院附帯決議(令和8年5月28日):イトプリドを妊婦に使用する際は、別途の負担を求めない方向で整理するとされています。個別成分ごとの配慮も示されている点に注意。

参考:社会保障審議会医療保険部会「議論の整理」(令和7年12月25日)/衆参 厚生労働委員会 附帯決議

対象判断の難所:効能・効果の違い

同一成分でも、医療用医薬品とOTC医薬品では効能・効果、用法・用量、対象年齢、投与経路・剤形が異なることがあり、「OTC類似薬だから一律に対象」とは単純に整理できません。技術的検討会では、成分ごとに効能効果の一致・相違を整理しています。

参考:OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会(第1回 令和8年6月25日〜)検討事項

技術的検討会で議論中の主な論点

論点状況内容・薬局への含意
効能効果の違いの整理 議論中 77成分ごとに医療用/OTCの効能効果を突き合わせ、対象とする範囲を確定。医療用固有の適応での処方をどう扱うかが焦点。
負担を求めない者・療養の範囲 議論中 こどもの年齢、低所得者・慢性疾患の具体的線引き、確認方法。窓口でどう判定するかが実務の要。
窓口運用・レセプト・システム改修 未確定 特別の料金の徴収方法、処方箋・レセプトの記載、レセコン改修。委員から「現場で混乱が生じないよう早期の情報提供を」との要望。告示・通知待ち。
医療上の必要性の判断 議論中 「医師が長期使用等を医療上必要と判断」した場合の判断基準・様式(処方箋への記載等)を検討。
対象範囲の拡大・料金割合 令和9年度以降 施行状況を把握・分析のうえ、与党の関与の下で対象拡大・料金引き上げを検討。

参考:技術的検討会 検討事項/医療保険部会における主なご意見(令和7年12月25日)

薬局が今から準備できること

情報源(公的1次情報)

本ページは上記の公的資料をもとに編集部が整理したものです。制度は検討段階にあり、確定内容は今後の告示・通知によります。実際の算定・運用は最新の厚生労働省通知・疑義解釈をご確認ください。

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