くらしと医療のはなし / 制度のしくみ

市販薬と似たお薬の「特別の料金」とは?

ドラッグストアで買える市販薬(OTC医薬品)と成分が同じ処方薬について、2026年度中(令和9年3月)から薬剤費の一部を追加で支払う新しい仕組みが始まります。「何が」「いつから」「いくら」「だれが対象か」を、国の公的な資料をもとにやさしく整理しました。

追加でかかるお金
薬剤費の
1/4
「特別の料金」として支払い
いつから
令和9年
3月
2026年度中に開始予定
最初の対象
77成分
約1,100品目(市販薬と同成分)

どういう仕組みなの?

かぜや花粉症、胃の不調、便秘、痛み止めなどに使うお薬の中には、ドラッグストアで買える市販薬(OTC医薬品)と成分がまったく同じものがあります。これまでは病院・診療所で処方してもらえば健康保険がきいて、窓口での支払いは薬剤費の1〜3割ですみました。

今回の見直しでは、こうした「市販薬と似たお薬(OTC類似薬)」について、薬剤費の4分の1を保険の対象からはずし、その分を「特別の料金」として患者さんに支払っていただくことになりました。お薬自体は保険の対象のままですが、これまでより窓口での支払いが増えることになります。

国が公平性を見直す理由として、「同じ症状でも、忙しくて受診できず市販薬を自分で買っている人」と「受診して保険で同じ成分の薬を受け取る人」との間の公平性を保つこと、現役世代の保険料の負担をやわらげることが挙げられています。

参考:厚生労働省 保険局「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について」(社会保障審議会医療保険部会 資料)

支払いはどれくらい増える?(イメージ)

窓口負担が3割の方が、対象のお薬(薬剤費1,000円分)を受け取った場合のイメージです。実際にはお薬の種類や量、調剤の技術料などで金額は変わります。

 これまでこれから(対象のお薬の場合)
特別の料金(薬剤費の1/4) なし 250円
残り(薬剤費の3/4)への3割負担 225円
薬剤費への窓口負担(従来どおり3割) 300円
お薬代の窓口支払い(目安)約300円約475円

※ わかりやすさのため薬剤費だけを取り出した簡略な例です。窓口では調剤の技術料などが別に加わります。対象のお薬では、薬剤費部分の実質的な負担がおよそ「4分の1+残りの3割」=約47.5%になる計算です。

対象になりやすいのはどんなお薬?

市販薬にも同じ成分がある、次のような症状のお薬が対象として示されています(例)。同じ成分でも、量や使い方によっては対象にならない場合があります。

鼻炎(内服・点鼻) 胃痛・胸やけ 便秘 解熱・痛み止め かぜ症状全般 腰痛・肩こり(貼り薬・塗り薬) みずむし 殺菌・消毒 口内炎 おでき・ふきでもの 皮膚のかゆみ・乾燥肌

参考:厚生労働省 保険局 資料(社会保障審議会医療保険部会)に示された「主な対応症状」より

「特別の料金」がかからない人

負担が重くなりすぎないよう、次のような方には特別の料金を求めない方向で検討されています。具体的な範囲や、こどもの対象年齢などは、国の検討会で引き続き議論されています。

参考:社会保障審議会医療保険部会「議論の整理」(令和7年12月25日)/国会の附帯決議

わたしたちができること

Q. これから受診は控えた方がいいの?
いいえ。症状の見きわめ(診断)は医師にしかできません。気になる症状があるときは、我慢せず受診してください。国も「必要な受診が抑えられないよう配慮する」としています。
Q. 市販薬で対応した方がよい場合は?
軽いかぜや、いつもの症状で自分でも対応できるときは、市販薬(セルフメディケーション)も選択肢です。どの市販薬が合うか、飲み合わせは大丈夫かは、薬局の薬剤師に相談できます。
Q. 自分が対象になるか知りたい
お薬が対象かどうか、また自分が「料金がかからない人」にあたるかは、かかりつけの医師・薬剤師にご確認ください。制度の細かいルールは今後決まっていくため、最新の情報は厚生労働省や自治体のお知らせもあわせてご確認ください。
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薬剤師・医療関係者の方へ

実務で対応すべきポイントの整理はこちら

対象品目の考え方、特別の料金の算定・窓口運用、配慮対象者の確認、技術的検討会で議論中の論点など、実務面のまとめを別ページにご用意しています(公的情報にあわせて随時更新)。

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情報のもと(公的資料)

本ページは制度をやさしく解説する目的で、上記の公的資料をもとに編集部が作成しています。制度の詳細は今後決まっていく部分があり、最新の内容は厚生労働省・お住まいの自治体・保険者のお知らせをご確認ください。

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