特定薬剤管理指導加算1 / ハイリスク薬 対象薬剤一覧

特定薬剤管理指導加算1を算定できる薬剤一覧(ハイリスク薬)

「特に安全管理が必要な医薬品」(診療報酬上のハイリスク薬)の対象薬効分類と、算定できる・できないの判断基準を、薬局で掲示・印刷してそのまま使えるよう整理しました。令和8年度改定でも点数・要件の変更はありません。

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薬局内 掲示・印刷用

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調剤台やカウンター裏に貼って、加算1の対象薬・算定可否をその場で確認できます。

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特定薬剤管理指導加算1は、基本的な薬学的管理指導に加え、処方薬がハイリスク薬であることを患者に伝え、これまでの指導内容等も踏まえた重点的な指導を行うことを評価する加算です。令和8年度診療報酬改定でも点数・算定要件の変更はありません

1.算定要件と点数(処方箋受付1回につき1回)

区分算定する場面算定要件(行うこと)点数
1のイ新規処方時ハイリスク薬が新たに処方された患者に対し、必要な薬学的管理指導を行った場合10点
1のロ用法・用量の変更時/副作用等の発現状況の変化時ハイリスク薬の用法・用量の変更、または患者の副作用の発現状況の変化等に基づき、薬剤師が必要と認めて指導を行った場合5点

✅ 2.実施・記録の要件

  • ハイリスク薬であることを伝え、飲み方・気を付ける症状・受診の目安等を説明・指導する。
  • 患者等に確認した内容と指導の要点を薬歴に記録する(算定要件)。
  • 日本薬剤師会「ハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」等を参照し、事前に情報収集しておくことが望ましい。

⚠️ 3.算定上の注意

  • 複数のハイリスク薬を指導しても処方箋受付1回につき1回のみ算定。
  • 「1のイ」と「1のロ」の対象薬が混在しても重複算定は不可(どちらか一方)。
  • 自局で初めての調剤でも、患者として継続服用中の薬は1のイ算定不可
  • 同一成分で銘柄のみ変更された場合も1のイ算定不可

4.算定できる薬剤(対象の薬効分類)一覧

薬効分類番号薬効分類補足・代表例
113抗てんかん剤てんかんの目的で処方された場合が対象
117精神神経用剤抗うつ薬・抗精神病薬等(うつ病等の精神疾患目的)
211ジギタリス製剤(強心剤)ジゴキシン等
212不整脈用剤不整脈の目的で処方された場合が対象
225テオフィリン製剤(気管支拡張剤)テオフィリン・アミノフィリン等
249膵臓ホルモン剤インスリン製剤等
322カリウム製剤(注射薬に限る塩化カリウム注等
333血液凝固阻止剤(内服薬に限るワルファリン・DOAC等(内服)
396糖尿病用剤2型糖尿病の目的で処方された場合が対象
399免疫抑制剤タクロリムス・シクロスポリン等
421–429抗悪性腫瘍剤(腫瘍用薬)悪性腫瘍の目的で処方された場合が対象
625抗HIV薬(抗ウイルス剤)HIV治療薬

対象薬剤の範囲は調剤報酬点数表より(具体的な対象薬剤の一覧は厚生労働省ホームページに掲載)。分類番号は日本標準商品分類番号に基づく目安です。

5.薬効分類番号の確認方法と算定の大原則

🔍 薬効分類番号の確認方法

添付文書の右上にある「日本標準商品分類番号」の 「87」に続く3桁が薬効分類番号です。

(例)フォシーガ錠 87396 → 糖尿病用剤(対象)/ デパス錠 87112 → 催眠鎮静剤・抗不安剤(対象外)。まずこの番号が上の対象表に該当するかを確認します。

📌 算定の大原則(3ステップ)

  • ① 添付文書の商品分類番号(87+3桁)で本来の分類を確認
  • 処方目的(適応疾患)が分類と一致しているか確認
  • 一致する場合のみ算定

分類番号が該当しても、対象範囲以外の目的で使用されている場合は算定できません(下記「算定できないケース」参照)。

6.算定できないケース一覧(査定・返戻の事例)

薬効分類番号上はハイリスク薬でも、使用目的や分類が対象範囲外だと算定不可。レセプト突合で機械的にチェックされます。

A.複数の適応をもつ薬剤 ― 同じ薬でも「使用目的」で対象/対象外が分かれる

医薬品の例対象となる分類・効能○ 算定できる目的× 算定できない目的(対象外)
デュロキセチン(サインバルタ等)精神神経用剤(117)うつ病・うつ状態疼痛改善目的(糖尿病性神経障害・線維筋痛症・慢性腰痛症・変形性関節症等)
スルピリド50mg錠(ドグマチール等)精神神経用剤(117)/消化性潰瘍用剤(232)うつ病等胃・十二指腸潰瘍
カルバマゼピン(テグレトール等)抗てんかん剤(113)てんかん三叉神経痛・躁状態
プロプラノロール(インデラル等)不整脈用剤(212)不整脈高血圧・片頭痛予防・本態性振戦
カルベジロール・ビソプロロール(アーチスト・メインテート等)不整脈の効能(212相当)頻脈性心房細動等の不整脈高血圧・狭心症・慢性心不全
SGLT2阻害薬(フォシーガ・ジャディアンス等)糖尿病用剤(396)2型糖尿病慢性心不全・慢性腎臓病
クロルマジノン(プロスタール錠25)腫瘍用薬(前立腺がん適応)前立腺がん前立腺肥大症
アスピリン(バイアスピリン等)血液凝固阻止剤(333・339)血栓・塞栓抑制の長期服用解熱・鎮痛

※ 抗悪性腫瘍剤・不整脈用剤・抗てんかん剤は、薬効分類が異なっても当該効能をもちその目的で処方されれば対象(疑義解釈 問5)。

B.薬効分類そのものが対象外(どの目的でも算定不可・誤算定の多い代表薬)

対象外の薬効分類代表的な薬剤(例)
112 催眠鎮静剤・抗不安剤デパス、ソラナックス、ハルシオン、レンドルミン、マイスリー、リーゼ 等
116 抗パーキンソン剤メネシット、マドパー、シンメトレル、エフピー、コムタン 等
119 その他の中枢神経系用薬グラマリール、アリセプト、リリカ 等
339の一部(抗血小板薬等)エパデール、アンプラーグ、ドルナー、オパルモン 等
抗リウマチ薬(免疫抑制剤の範囲外)リドーラ、メタルカプターゼ、アザルフィジンEN、リマチル、モーバー 等
ステロイド外用(131・132・225・264等)リンデロン点眼液、フルナーゼ点鼻液、キュバール、ステロイド軟膏・クリーム 等

🔻 C.算定要件・回数による対象外

  • 患者として継続服用中の薬(転院・転局で自局初回でも):1のイ(新規)不可 ※1のロは要件を満たせば可
  • 同一成分で銘柄(メーカー)のみ変更:1のイ(新規)不可 ※1のロは可
  • 複数のハイリスク薬の一部だけ指導:全てに必要な指導を(算定は受付1回1回)
  • 1のイと1のロを同一処方箋で重複:重複算定不可(どちらか一方)

📝 記録のお願い

複数の適応をもつ薬剤を対象の目的で算定する場合は、レセプト摘要欄・処方箋備考欄・薬歴に算定理由(対象となる適応)を記載すること。記載がないと返戻・査定の対象になります。

7.指導内容と薬歴記載のポイント

※ ハイリスク薬の薬学的管理・指導に関する一般的な考え方を、編集部が要点として整理したものです。

✅ どの分類でも押さえたい確認・指導

  • 処方内容(薬剤名・用法・用量)に問題がないかを確認する
  • 服薬状況・アドヒアランス(飲み忘れ時の対応を含む)を確認する
  • 副作用の有無をモニタリングし、重篤な副作用時の対処法を伝える
  • 効果を確認する(適正な用量か、可能なら検査値も参考にする)
  • 併用薬(OTC・サプリを含む)・食事との相互作用を確認する

患者への説明では、効果の現れ方・副作用の自覚のしかた・服薬手順・保管や残薬の注意・次回受診の目安などを、重要点は繰り返して理解度を確かめながら伝える。

📝 薬歴に残しておきたい内容

  • 患者等に確認した内容と指導の要点(算定要件のため必須)
  • 副作用の確認結果(異常がなくても「確認済み・異常なし」と記載)
  • 体重・腎機能(Scr等)・肝機能(AST/ALT等)など, 用量評価に使った情報
  • 検査値・バイタルから副作用の可能性を薬学的に検討した内容
  • 問題点や、主治医へ情報提供した場合はその内容

8.分類ごとに特に確認・指導すべき内容(共通5項目に追加)

薬効分類特に確認・指導すべき内容
抗悪性腫瘍剤投与期間・休薬期間の確認/治療への不安に対応/疼痛緩和(麻薬の使用確認)/支持療法の使用確認・提案
免疫抑制剤感染症の発症・悪化防止の注意事項を説明/グレープフルーツジュース等との相互作用確認
不整脈用剤ふらつき・動悸・低血糖等の症状確認/最近の発作状況の聞き取り/QT延長を起こしやすい併用薬の確認
抗てんかん剤最近の発作状況の聞き取り/可能な場合は血中濃度のモニター
血液凝固阻止剤検査・手術・抜歯時の休薬と再開の確認/出血傾向(あざ・歯茎出血等)の確認/納豆等の食事相互作用
ジギタリス製剤中毒症状(食欲不振・悪心嘔吐・めまい・頭痛・不整脈)の確認/K排泄型利尿薬・Ca含有製剤・β遮断薬等との併用確認
テオフィリン製剤過量症状(悪心・嘔吐・けいれん・頻脈)の説明/喫煙・カフェイン等の嗜好歴確認/小児は発熱時の対応を指導
精神神経用剤原疾患に似た副作用(錐体外路症状等)・悪性症候群等の確認/転倒への注意喚起/依存傾向・過量服薬リスクの把握
糖尿病用剤・膵臓ホルモン剤低血糖症状と対処法の指導/Sick Day時の対処法/HbA1c・血糖値の確認/注射手技・注射針の取扱いの確認
抗HIV薬服用時間とライフスタイルの整合を確認/飲み忘れによる耐性ウイルス出現リスクの説明/発熱・発疹等の初期症状を指導

9.他の特定薬剤管理指導加算等との併算定 対照表

組み合わせ可否備考
1のイ + 1のロ(同一処方箋)×重複算定不可。両方に該当してもどちらか一方のみ。
加算1 + 加算2同一薬剤(抗悪性腫瘍剤・支持療法薬)では不可。それ以外のハイリスク薬で要件を満たせば併算定可。
加算1 + 加算3(イ・ロ)それぞれの要件を満たせば併算定可。
加算2 + 加算3(イ・ロ)それぞれの要件を満たせば併算定可。
3のイ + 3のロ同時処方・同一薬剤でも、それぞれの観点で説明していれば併算定可。
加算2 + 服薬情報等提供料×加算2の医療機関への情報提供分は算定不可(他の医療機関宛は要件を満たせば可)。

本ページは、調剤報酬点数表・厚生労働省の疑義解釈資料・各薬剤の添付文書等の公開情報をもとに、編集部が要点を整理・作成したものです。ハイリスク薬の薬学的管理・指導の考え方については、参考:日本薬剤師会「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン(第2版)」。算定にあたっては最新の告示・通知・疑義解釈を必ずご確認ください。

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